キャンベルタウンウイスキーってどんな味?潮と果実と、ちょっと不思議な港町の味。

キャンベルタウンウイスキーってどんな味?潮と果実と、ちょっと不思議な港町の味。

こんにちは。Little Cask(リトルカスク)のりょうです( ・∀・)


前回は、僕が初めてキャンベルタウンのウイスキーを飲んだときの話を書きました。


今回はもう少しちゃんと、


「そもそもキャンベルタウンウイスキーって、どんな味なの?」


という話をしてみようと思います。


キャンベルタウンという名前は聞いたことがあっても、


「アイラみたいに煙たいの?」


「スペイサイドみたいに甘いの?」


と言われると、ちょっと説明が難しい地域でもあります。


というのも、


キャンベルタウン、いろいろいるんです(笑)これは毎回どの地域でもそうなんですけど、そうなんです!(笑)


そもそもキャンベルタウンってどこ?

キャンベルタウンは、スコットランド西部に伸びるキンタイア半島の南端にある小さな港町です。


こんなところ!

ハイランド、スペイサイド、アイラ、ローランドと並ぶ、スコッチウイスキーの主要産地のひとつです。


今でこそ小さなウイスキー産地という印象がありますが、最盛期には30を超える蒸溜所があったと言われています。


30ですよ。


小さな港町に30以上。


町の人、全員ウイスキー作ってたんじゃない?


と言いたくなるくらいです(笑)


それほどウイスキー産業で栄えた町でした。


ところが、その後は蒸溜所の数が大きく減っていきます。


つまりキャンベルタウンは、


昔ものすごく栄えて、一度静かになって、そしてまた注目されている。


そんな歴史を持った土地なんです。


キャンベルタウンって、どんな味?

ここが一番難しいところです(笑)


キャンベルタウンのウイスキーを一言で、


「こういう味です!」


と言い切るのは、なかなか難しい( ・ω・)


よく言われるのは、


潮っぽさ、果実、麦の甘さ、バニラ、少しの煙っぽさ。


こんな感じ(笑)

……多い(笑)


アイラなら、


「煙たい!」


スペイサイドなら、


「フルーティー!」


と説明しやすいのですが、


キャンベルタウンは、


「潮っぽくて、果実っぽくて、甘くて、少し煙たくて……」


となります。


説明しているこちらがだんだん不安になります(笑)というか毎回不安になってました(笑)


でも、それが面白いところでもあります。


潮っぽい。でも海水ではありません(笑)

キャンベルタウンを表現するときによく出てくるのが、


「潮っぽい」


という言葉です。


港町らしい、少し塩気を思わせるようなニュアンス。


もちろん飲んだ瞬間、


「海水だ!」


となるわけではありません(笑)


ほんのり塩気を感じたり、海風みたいな雰囲気を感じたり。


そこへ麦の甘さや果実、バニラ、樽からくる甘さなどが重なってきます。


甘いだけでもない。


煙たいだけでもない。


フルーティーなだけでもない。


ちょっと複雑なんです。


そして、独特のオイリーさ

特にスプリングバンクを飲んだことがある方なら、


「ああ、なんとなく分かる」


となるかもしれません。


少しオイリーというか、舌の上にじわっと残るような質感があります。


サラサラと消えていくというより、


口の中でしばらく居座る。でもそれが不快じゃない。素晴らしい存在感( ・∀・)


しかも、


「あ、まだいたの?」


くらいの感じでいます(笑)


そこへ塩気や麦、果実、スモークなどが重なる。


僕は、この少し不器用というか、きれいすぎない感じもキャンベルタウンの魅力だと思っています。


全部がピカピカに磨かれているというより、


ちょっと古い港町を歩いているような味。


そんな表現の方が似合う気がします。


香りも、一つではありません

香りも面白いです。


果物のような香りがしたと思ったら、


麦っぽさが出てきたり、


少し煙を感じたり、


バニラやキャラメルっぽい甘さが出てきたり。


その奥に、どこか海を思わせる雰囲気があります。


最初から最後まで、


同じ顔をしていないウイスキー。


そんな感じでしょうか。


しばらくグラスを置いてからもう一度香ると、


「あれ?」


となることもあります。


こういうウイスキーは、僕は好きです。


一口飲んで全部分かってしまうより、


「さっきと違わない?」


くらいの方が面白い(笑)


キャンベルタウンのトリビア

ここでひとつトリビアです。


キャンベルタウンを代表する蒸溜所のひとつ、スプリングバンク蒸溜所。


ここは麦芽づくりから蒸溜、熟成、瓶詰めまで、ウイスキー造りの多くの工程を自分たちで行っています。


しかも同じ蒸溜所から、


スプリングバンク

ロングロウ

ヘーゼルバーン


という、かなり性格の違うウイスキーが造られています。


スプリングバンクは独特の2.5回蒸溜。


ロングロウはピートをしっかり効かせたスタイル。


ヘーゼルバーンはノンピートで3回蒸溜。


同じ場所なのに、


三兄弟、性格が全然違います(笑)


これもキャンベルタウンの、一言では説明できない面白さだと思います。


悩んだんですが思い付いたので言わせて下さい。だんご3兄弟のようですね!(笑)


こんな感じですかね(笑)

「昔は、そんなに欲しいウイスキーでもなかったよ」

僕が酒屋で働いていた頃の話です。


ある年配のお客様とウイスキーの話をしていると、スプリングバンクの話になりました。


その方が、


「昔は普通にBARでも飲めたし、ここまで高くなかった」


という話をしてくれたんです。


そして、


「正直、当時はそんなに欲しいウイスキーでもなかったよ」


と。


今の感覚で聞くと、


「えっ?!」


となります(笑)


僕は、


羨ましいなあ……。


と思いながらも、心のどこかでは、


「本当にそんな時代あったのかな?」


と半信半疑で聞いていました。


今の感覚しか知らないと、なかなか想像できません。


でも、あながち間違いでもないんだろうなと思いました

酒屋で働いていた頃、僕は何度も値上げを見ました。


また値上げ。


しばらくすると、また値上げ。


そして、また値上げ。


値上げの三段活用です(笑)


去年まで普通に棚にあったものが高くなったり、


いつの間にか入荷しづらくなったり。


ウイスキーを取り巻く状況が変わっていくのを、売場で間近に見ていました。


だから、あのお客様が話してくれた、


「昔はそんなに珍しくなかった」


という話も、


あながち間違いではないんだろうな。


と思うようになりました。


ウイスキーって、樽の中だけで時間が流れているわけじゃないんですね。


そのウイスキーを取り巻く世界も、どんどん変わっていきます。


そんなことを考えながら、


僕の頭の中では中島みゆきさんの「時代」が駆け巡っていました(笑)


僕が70歳、80歳になった頃には

でも、ふと思います。


僕が70歳、80歳になったとき。ヨボヨボしながらウイスキーを飲む時代になったら(笑)


若い人とウイスキーを飲みながら、


「昔はスプリングバンクが今ほど手に入りにくくなくてなあ」


なんて話をしたら、


「え?!そんなことあるんですか?!」


と言われるのでしょうか(笑)


そして僕も、


「いや、本当にそうだったんだよ」


なんて言うのでしょうか。


ちょっと楽しみです。


今僕たちが普通だと思っていることも、


30年、40年後には、


誰かにとっての昔話になっているのかもしれません。


だからこそ、ウイスキーは面白い。


味や香りだけじゃなく、


その時代、その場所、その人の思い出まで一緒に残っていく。


キャンベルタウンのウイスキーを飲みながら、


そんなことを考えるのも悪くないと思います。


Little Caskも、いつかそんな話の中に

そしてLittle Caskも、


いつか誰かの昔話に登場できたらいいなと思っています。


何十年か経ったときに、


「Little Caskっていうウイスキー屋さんがあってね」


とか、


「そこで初めてキャンベルタウンを買って飲んだんだよ」


なんて言ってもらえたら。


それはきっと、すごく嬉しいことです。下を抜かれる前に、きっと閻魔様に死ぬほど自慢していることでしょう( ・∀・)


僕自身も、


「あの頃ね、小瓶に一本一本詰めてたんだよ」


なんて話をしているかもしれません(笑)


そういう話ができるように。


僕もこれから、しっかり歴史に足跡を刻んでいこうと思っています(笑)

今までやりたいこととかなんて無かったですからね(笑)


小さな小瓶から始まる、長い物語を。


Little Cask(リトルカスク)でした( ・∀・)また次の記事でお会いしましょう(^-^)